未来は走り続けた者にしかわからない——

作品概要
高校卒業に向け、6人がそれぞれの道へ歩み出そうとしていたあの冬、恩師は突如として姿を消す。
高校時代を共に過ごした元陸上部女子たちの各視点から、それぞれの物語と、6人が織りなす友情を描く。家庭、働き方、ライフイベント…多様化した現代女性たちの人生、彼女たちは悩みながら今日も走り続ける。
そしてある日、スマホに通知が届く「先生、あのとき亡くなってたんだって——」。 6人それぞれが悩みを抱えながら、恩師の“退職”の裏に隠されいた秘密を暴いていくミステリー作品。
各話目次
各話はページ公開までしばらくお待ちください。
- Down Memory Lane ~prologue
 - Lane1 山田茜
 - Lane2 高橋千尋
ーーcontinued 
更新情報
【連載開始予定】
連載開始は11月上旬を予定しています。
- 2025.10.20 作品インデックス公開
 
作中用語や架空の固有名詞
- 桜川高校:東京23区東側に位置する高校。桜川沿いにある偏差値50の中堅校。一般クラスと特進クラスに分けられている。
 - りくじょ:桜川高校陸上部に所属していた同期女子6人が、高校在学時に自らに付けたグループ名(平成中期、仲良しの友達グループに名前をつけるのが流行していた)。
 
主要登場人物
りくじょメンバー
佐藤茜(さとうあかね)
桜川高校陸上部の元部員。中距離専門。在学時は一般クラス。
現在は一般企業にて時短勤務で事務の仕事をしているワーママ。家族構成は、会社員の夫と長男・湊(3歳)、長女・結愛(0歳)。
身長157センチ、偏差値50など超平均的で、普通すぎるのが逆に彼女の個性。旧姓は山田。
佐々木麻衣(ささきまい)
桜川高校陸上部の元部長。短距離が中心。在学時は特進クラス。
現在は母校の桜川高校の教諭で陸上部の顧問を受け持ちながら妊活に励む。家族構成は看護師の夫。
真面目な性格だが、規則を守るあまり融通が利かないところもある。旧姓は加藤。
原田美穂(はらだみほ)
桜川高校陸上部の元部員。長距離専門。在学時は一般クラス。
現在は長野県に移住し、フリーのライターとして活動する傍ら家庭菜園を行う。家族構成はSEの夫。
マイペースでちょっとめんどくさがりのよう。旧姓は吉田。
鈴木里奈(すずきりな)
桜川高校陸上部の元キャプテン。短距離専門。在学時は一般クラス→2年時から特進クラスに編入。
広告代理店の営業課課長だったが現在は平社員。育休から復帰したばかり。家族構成は会社員の夫と0歳の子供。
負けず嫌いな性格だが実は仲間思いで面倒見の良いところがある。華やかな見た目をしており、高校時代は髪を明るく染めていた。
高橋千尋(たかはしちひろ)
桜川高校陸上部の元部長。高跳びと短距離が専門。在学時は特進クラス。 現在は母の介護をしながら区役所で勤務している。家族構成は母。 長身で整った顔立ち、口数が少なく一見近寄りがたいが、実はお笑い好き。
伊藤彩(いとうあや)
桜川高校陸上部の元マネージャー。在学時は一般クラス。 
現在は専業主婦で、家族構成は、会社員の夫、長女・いろは(小学2年生)、長男・いおり(年中)、次女・ことは(2歳)。夫の両親と二世帯住宅に住んでいる。
自分の意見を言うのがちょっと苦手。小柄で可憐な容姿をしている。旧姓は中村。
陸上部の関係者
めぐ先生
桜川高校の元教諭で陸上部の元顧問。6人の高校時代の恩師。
生徒たち、特に陸上部の部員たちに尊敬され、親しまれる。明るくて、面倒見の良い教師。
当時0歳の娘を育てていた。
茜たちがセンター試験を受ける前日に突如姿を消し、退職したと数日後に判明するが…。
はるちゃん
めぐ先生の娘。
他
えまちゃんママ
彩のママ友。
なっちゃん
桜川高校2年生の女子。素行が悪いと疎まれている。帰宅部だが地元のコンビニでアルバイトをしている。
家庭環境を不満に思っている。
こっちゃん
桜川高校2年生の女子。なっちゃんの友人で、明るく真面目。
2年生ながら陸上部の部長を務める。
かめいノート(作品の裏側)
執筆のきっかけ
学生時代に仲の良かった女性たちがそれぞれ個性のある職業についており、人生いろいろで面白いなと思ったことがきっかけです。近年男女の垣根はなくす方向へと進んでいますが、まだまだ女性たちのほうが職業だけではなく、家庭環境なども自身の人生に大きく関わっています。そうした各自を取り巻く環境が複雑に影響しあい、人の数だけ多様な“その人だけの物語”があるものと思います。
しかし、生きるのをやめてしまったり、やめざるを得なくなれば、その人だけの物語もそこで終わってしまいます。この作品では、走る=生きると形容し、かつて全力で走った陸上部の女子たちのその後の“走る姿”を描いていきます。 また、彼女たちの高校時代の恩師・めぐ先生の人生を並走させることで、この十数年で時代がどれだけ変わったのか・変わらない部分も描いていけたらと思います。
作品のこだわり
人々のリアルな生活
前述した通り、現代では多様な女性の生き方とその悩みがあります。
時代や性別を問わず、悩む中で必死にいきる人やそれに疲れてしまった人がたくさんいます。
そのペルソナをリアルに描くことで、お互い他の人を思い、理解することができたらと考えています。
平成女子っぽさ
2010年前後を“JK”として過ごした6人を、当時の制服の着こなしやアイテムなどを再現して描きました。
また、6人の名前も彼女たちが生まれた頃の名前ランキング上位を占めたもの。彼女たちと同じ時代を過ごし、今を懸命に走る平成女子が懐かしめたり、「こんな友達・先生ほしかった!」と思えるような空気感で描いていきます。
今後の展望
0歳の子供を抱えていためぐ先生の退職の裏には何があったのか?その事実を知っていく中で当時の先生と同世代になった茜たちりくじょは何を思うのか…。
また、先生の子供“はるちゃん”は一体今どうしているのか。
様々な人生に寄り添いながらしながらお楽しみください!